開発失敗集

開発を進めていくにあたって失敗やミスはつきものです.この記事では我々サザンセト・オールスターズが犯した失敗を紹介していきたいと思います!
1,LANハブの電源供給
ブイに内蔵するバッテリにはAC出力とDC出力があります.当初LANハブはACアダプタでの電源供給を考えていましたが,当初の予定より消費電力が大きくなっていました.原因を探ったところ,バッテリのAC出力を使うと内部コンバータの消費電力が加算されてしまうことが判明しました.
アクセスポイントは不幸にもPoEであり,LANケーブル経由で48V程度の電源供給が必要でした.そこで,DC出力のシガーソケットから,作成したDCDCコンバータを通じてハブの電源を供給することで消費電力の低減を行いました.

2,Captive Portalを実装出来ない
Captive Portalとは新幹線や公共Wi-Fiで実装されている,Wi-Fiに接続したら勝手にHPが立ち上がるようにする機能です.ルータ自体に実装されている場合が多いのですが,今回使ったルータにはその機能が無く,その上BSD系のLinuxサーバでは容易に実装できないことが判明しました.現在も実装方法について考えていますが,他の機能を作るための時間を確保するため敢え無く断念しそうです.
3,アンテナ角を変えると届かなかった
周波数が高い分Wi-Fiの伝送距離は短い上,アンテナ角を広げるほど遠くに届きづらくなります.今回の使用するWi-Fiアンテナは無指向性アンテナと反射器を組み合わせることで,角度を絞る代わりに遠くまで信号を届けやすくなっています.当初は左右の指向性を60度になるようにしていたのですが,ブイの回転の関係上120度に広げ基礎実験に臨みました.すると想定していた伝送距離の1/3~1/4の距離しか届きませんでした.当たり前の結果ではありますが,このままでは通信の信頼性を保証できないので現在も打開策を模索中です.
失敗はシステムの改良点を洗い出してくれるため決して看過してはいけないものです.同じ失敗を繰り返さないように対策を立てつつ開発を進め,より多くの人の役に立つようなシステムを構築していきたいと考えています!